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ハタチノ
ヴォイス

vol 008

2025.01.29

ハタチノヴォイス:2024 受講生「おいはま組」相互インタビュー

ハタチノヴォイス:2024 受講生「おいはま組」相互インタビュー

2024年12月10日、本WEB制作にも携わった鳥取大学「アートプロジェクト」2024年度受講生4名の相互インタビューを開催しました。

執筆|
鳥取大学アートプロジェクト2024年度おいはま組

編集・撮影|
石田陽介

編集補助|
蔵多優美

松野

最初の質問なんですけど、みなさんはどうしてこの講義をとろうと思いましたか?

岡田

私はこの授業をとる前に記事を書くアルバイトをしたことがあるんですけど、そういうことが授業でもできることが面白いと感じました。
あとは、単位も全部取り終え、アート系の単位を専門科目以外でとったことがなかったので受けようと思いました。

松野

私はシラバスを見て決めました。
教室に座って授業を受けるのではなく、地域の人と話す機会があると書いていたので面白そうだと感じました。

初田

私も松野さんと同じでシラバスで決めました。
博物館に行ったり、記事を書いたりできると書いていて面白そうだと感じました。
私は学芸に興味があるので、学芸員をするにあたりためになると感じました。

出井

私は友達がこの授業を受けたことがあり、とてもおすすめしてくれたので受けようと思いました。
私自身アートのゼミに入っていて、アートを自分で作るのではなくアートが人と人をつなげる、地域と人をつなげると思っていて、「あ、私のやりたいことここにあるかも」と感じ、受けようと思いました。

松野

じゃあ次の質問です。
最近うれしかったことはありますか?

初田

これからの待ちどうしいことになってしまうんですけど。
ギャラリーコンパ後半に会場として利用させていただいたった、たくみ珈琲店へ個人的に食べに行くことです。
メニューを見たらなかなか高くて、自分で行くには無理だなと感じて、母に相談したら一緒に行くことになりました。
とても楽しみです!

出井

いいな!めっちゃいいですね!

松野

確かに高かったですよね(笑)

初田

岡田さんはどうですか?

岡田

私の推しが大晦日のテレビ特番に出演することが知れてうれしかったです。
私の推しはK-POPアイドルなんですけど、日本の大晦日のテレビ番組にでることが驚きでした。
大晦日で推しを眺めて年を越せることがうれしいです。

出井

私はとても旅が好きで、11月も結構たくさんの県をまわりました。
12月は広島や岡山に行ったり、年末も北海道に帰省するのでいろんな人に出会えることが楽しみです。

松野

私もいろんなところ旅行してみたいです。
私はこないだ学校主催のマラソン大会にでたんですけど、ある部門で3位をとることができて、賞金12000円もらえました。
そのお金を使って友達とレストランに行って、普段だったら頼まない高いものを沢山食べれたことが幸せでした。

岡田

いいですね。

松野

もう一回食べたいです(笑)

松野

今回私たちはギャラリーコンパの主催者側に立ったわけなんですけど、皆さんギャラリーコンパを運営スタッフとして開催し終えて何か変わったことはありましたか?

初田

社会人の方がたくさんいるところで話す機会があまりなかったから、新鮮でよかったです。
これから社会に出ていくとなったらこういうことが必要なんだって思ったら不安に思ったし、もっとイベントに参加しようと思いました。
それに民藝品も欲しくなりました(笑)

松野

ですよね、私も民藝品ほしくなりました。
ネットで探したんですけど、ネットで買うのはちょっとなって思っていたところです。

出井

やっぱり触って自分にフィットするのがいいですよ。

松野

やっぱりそうですよね。

岡田

私は初めて参加して意外と人が来ることに驚きました。
大学にいると地域の人と話す機会があまりないですよね。
大学生とだけ話して大学の中の世界に閉じこもりがちになってているって気づきました。
そういうの良くないなって思いましたね。

初田

確かにそうですよね。

松野

私はやっぱり人と話すことは大事だと思いました。
自分の見方とほかの人の見方は全然違うし、声に出すことで自分が考えていることが明確になるからです。

岡田

確かに。

松野

私普段の生活で独り言を大事にしていて、自分の気持ちを声に出すことで心に溜まっていく感情を吐き出すことができるからです。
それが今回のギャラリーコンパも同じだと感じました。

出井

独り言ってみんなの前でもいうの?(笑)

松野

いや、もちろん人の前ではしないですけど、家で一人で探し物をしているときとかは「もー、どこやー」とかはいったりしますね(笑)
出井さんはどうですか?

出井

私は結構アートとか独りで観ることが多いんですけど、今回みんなでアートを鑑賞することで今まで私はアートを大枠で観ていてちゃんと観ていなかったことに気づきました。
みんなで時間をかけて作品を鑑賞し、観たものを具体的に話すことで独りの時と違い、観えるものが変わってきました。
今でもどんな作品を観たのか思い出せるし、そういう鑑賞の仕方もあると気づかされました。

岡田

私も作品を見る見方が変わりました。
やっぱりぼんやり見がちなので自分で心の中で説明しながら見ると隅々まで見れて作品が近くなる感じがしました。
どうやって作っているんだろうって思うようになりもっと知りたくなったし、実際に作った人に聞いてみたくなりました。

出井

あの場に作者がいたら面白いですよね(笑)

岡田

確かに(笑)

初田

私も作品を観ていたら、いろんな背景とか今までどういう歴史があったんだろうとか、感じるのすごくわかります。
アートフォーラムの時も民藝について話を聴いていたらいろいろな疑問点が浮かんできてもともとはそんな知らない世界だけど講義を聞くことでもっと自分が知りたい、実際に民藝を作ってる場所に行きたいと感じるようになりました。

松野

みなさん沢山変化したことがありますね。
今まで視覚障がい者の方と話す機会がなかったのでいい経験になりましたよね。
私は普段話している話し方だと伝わらないこともあるから相手の気持ちになることが大切だと感じました。
あとは作品を触れるアートっていいなと思いましたね。
触ることで共通の認識ができるからとても大事だと感じました。
みなさんは実際に視覚障がいの方と話してみてどうでしたか?

初田

私は言葉で説明するのって難しいなと感じました。
民藝のことを知らない人に民藝について伝えるのって難しいと思うけど、学芸員の方がわかりやすく簡単な言葉を使って説明しているところをみてそういう配慮も必要なんだと感じました。
視覚だけじゃなく他の情報を組み合わせることで、新しい発見があるなと感じました。

岡田

自分の観えている普通とほかの人の観ている普通が違うから意見交換しているとき面白いと感じました。
私、コンビニでアルバイトしているんですけど、常連の視覚障がい者の方がいるんですね。
でも、どこまでを具体的にサポートしたらいいのか、いつも分からなくなってしまうんです。
手厚くサポートしすぎても、相手がそれを求めていないかもしれないし、そこの案配が難しくて、もどかしいです。

出井

ギャラリーコンパで最後に意見交換の時に、視覚障がいを持つ参加者の方が「普段、美術館や博物館に出かける時にも、もっといろいろなことを教えてほしいけど、そんな人はあまりいない」とおしゃっていたのが印象的です。
今回は触って話して鑑賞できたけど、普通の美術館ではできないことで、音声ガイドがあったとしてもそこの場所に連れて行ってもらえないと使うこともできないし、なんかもっといろんな人が楽しく、アートを身近に感じられる場所ができればいいのにって思います。

岡田

今回のギャラリーコンパ会場の一つだった旧吉田医院において、絵の鑑賞を晴眼者と視覚障がい者が共に対話を通して行なっているときに、二人の旅の思い出を語り合われながら絵を鑑賞されていたことが印象的でした。
旅行に行った時、その方は目が見えていなかったであろうはずなのに「ああ、あの時の感じね」っておっしゃっていて。
それはどういう光景を、組み合わせて思い描かれているのかなって不思議に感じました。

出井

確かに。それはすごいですね。

岡田

とても驚きました。

出井

視覚障がいを持つ参加者の方々に向けて、その作品の隅々まで完璧に再現することが正しいという訳でもなく、ともにアートを観る時には、全員にとっての正解のかたちなんてものは実はないんだなって、私は感じました。

松野

落ち込んだり、つらかったりしている時期、みなさんどんな風に乗り越えて行かれていますか?

岡田

私は、もともと自分の考えを話すタイプじゃなく抱え込みがちなので、自分の考えていること紙に書き殴ったりします。
でもやっぱり、周りに誰かがいてくれるということが私には大きくて。
実家にいる時はペットに癒されています(笑)
あとは友達とふざけたりしますね。

松野

めっちゃわかります!
やっぱり周りに人がいるって大事ですよね。
私も気分が下がった時は誰かと話すようにしています。
独りで家にいるとさらにネガティブになって悩みが頭から離れなくなるから、友達とテレビを見て、どうでもいいことを話しているうちに悩みを忘れています。

出井

めっちゃいいですね。

松野

受験の時とか一人で頑張らないといけなかったと時は、好きなものを沢山食べたりして、少しでも気分をあげようとしていました。
初田さんはどうですか?

初田

私は楽しい予定を作って、それをモチベーションに頑張ります。
やっぱり独りで考えていたら寂しかったり、余計につらくなってしまうから、ラインとか電話するっていうのもあるし、実家暮らしだから親に話すこともありますね。
悩んで苦しむ時間を作りたくないから楽しい予定を入れて考えないようにしています。
もしかしたら本質的には悪いのかもしれないけど、私が忘れっぽいからやっているうちに忘れるだろうと思ってやっています。
あとはクラリネットを適当に吹いて気分転換にしています。

松野

クラリネットみたいな楽器ってうまくいっているときはすごく自分の元気につながると思うんですけど、「うわぁ、うまくいかない」っていう時は逆にもっと落ち込みませんか?

初田

私は結構ネガティブなのでやっぱり独りで音とりしていたら「あー、汚いな、練習しても全然うまくいかないな」って思うんですけど。
そういう時は、もともとできる曲を弾いて気分を転換したり、ほかの人と一緒に演奏するとかして気分をあげています。

松野

やっぱり周りに人がいるって大事ですよね。
一人暮らして、改めて感じました。
出井さんはどうですか。

出井

私は母に教えてもらった「悪いことの後には、必ず良いことが待ってる」という言葉を大切にしています。
私は嫌なことやうまくいかないことが続くことが結構多いのですが、その時には、「今は良くない状況だけど、ずっと続くわけではないしいつかは良い方向にいくから大丈夫」と思うようにしています。
無理に問題解決しようとしたら、つらくて逆に上手くいかないから、流れに身を任せます。
でも、「何かしたい」ってもどかしいので、そういう時には自分を甘やかしたり、散歩したり、旅にでます。

岡田

そのマインド大事だよね。

松野

私、何かで見たんですけど、気持ちが落ち込んでいるときは、体を動かすことが大事だそうですよ。
体の疲れを心の疲れよりも先に治そうとするから、気分の落ち込みもなくなるみたいです。

出井

確かにそうですね。

初田

悩んで落ち込んでいる時間を作りたくないから、いろいろ予定を詰め込んで考えないようにしています。
もしかしたらこれ、本質的に間違っているかもしれないですけどね。

松野

確かに(笑)
不思議ですね。
でも落ち込んでいる時間ってもったいないですよね。
あとになったら何であんなしょうもないことで落ち込んでいたんだろうってなりますよね。

松野

二十歳になってみてどうですか。
何か変わったことはありますか?

初田

私はいろいろ心配してしまったり、立ち止まったりすることが多いけど、それでも自分の殻に引きこもるのではなく、いろんな人とかかわり色々なことに挑戦して前に進んでいきたいなと思っています。

出井

それって、とても大事だよね。

松野

私は「人生八十年だとしたら二十歳って、人生の四分の一が終わったのか」って思いました。
今までは子どもだから出来なかったこともたくさんあったけど、残りの六十年間は、興味のあることを自由にやっていきたいですね。
海外にも行きたいし、もっといろんな人と話したいし、友達と遊びたいし、家族とも過ごしたいし…やりたいことがいっぱいです。
岡田さんはどうですか?

岡田

私は「二十歳って、こんなものか」って思いました。

出井

わかる!

岡田

意外と普通っていうか。
なんか全然成熟していないけど歳だけとっている感じで。
やっぱりまだ大学生だからっていうのがあるかもしれないんですけど、やっぱり自分のことしか考えていなくて、割とやりたいことをやりまくっていたんですけど、大人になると違うのかなって思う。
フレッシュさがなくなりました(笑)

一同

えーー(笑)

岡田

でも本当に明らかに何か変わりました。
見方が変わったのかもしれないんですけど、これまではいい部分しか見ていなくて、理想の部分が大きくて、現実を見ていませんでしたね。
でも二十一歳になってから、割と現実が見えてきて、これからは親から離れて一人で生きていかなければいけないことを改めて実感しました。

出井

私も岡田さんと同じで、二十歳になったらすごい大人になっていると思っていたんですけど、全然変わらなかったですね。
でも私は私らしい私でいようって思っていて。
私高校生の時に自分らしい自分って何かを考えたときに、「素直さ」「笑顔」「感謝」の三つを思い浮かべたんです。
私のこれまでの人生には、本当に多くの人がかかわってくれて、いろんな人のおかげでここまでこれたのだから、その感謝はこれからも絶対に忘れないって思っています。
私も将来のことが不安だけど、そればかり考えていても楽しくないじゃないですか。
自分の気持ちに嘘をつかずに、楽しいと思うことを選んで生きていきたいなと思います。

おいはま組

鳥取大学アートプロジェクト2024年度受講生

おいはま組メンバー:岡田千優、出井千嵯、初田和佳奈、松野陽奈
記事執筆担当:松野陽奈