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ハタチノ
ヴォイス

vol 002

2023.02.22

ハタチノヴォイス:2022 受講生「こやま組」相互インタビュー

ハタチノヴォイス:2022 受講生「こやま組」相互インタビュー

2023年1月11日と18日の両日、本WEB制作にも携わった鳥取大学「デザインプロジェクト」2022年度受講生12名の相互インタビューを、四つの班ごとに開催しました。

執筆|
鳥取大学デザインプロジェクト2022年度こやま組

編集・撮影|
石田陽介

編集補助|
蔵多優美

長谷川

成人の年齢が引き下げられて、ここにいる全員が成人になったと思いますが、成人して何か変化はありましたか?

炭谷

私は先日成人式があったのですが、成人式を終えて改めて自分で考えて行動することが多くなったなと感じました。
やっぱり式典とか節目なので、一層自分がハタチになったという実感がすごく湧いて、自分も社会の一員としてこれから活動していくのだなという思いが強くなりました。

中澤

僕は実家暮らしだから、生活や環境自体には特に大きな変化はないかな。
でも、「自立したい」っていう気持ちが強くなったと思う。
何か判断するとき、よく家族の意見に頼ることが多かったけど最近は自分でこんなことしたいとか、こうしてみようとかって考えるようになりました。

長谷川

私は具体的に何か変化を感じたことはないんですけど、友人が運転する車の助手席に乗ったときに、できることの幅が広がったな、と感慨深くなりました。
自分の何かが変化したり成長したりしたわけではないのに、世間からは“大人”として捉えられることが少し不思議でしたね。
次の質問にいきますね。
デザインプロジェクトの授業の中で印象に残っていることはありますか。
また今後どのような形で生かしていきたいなどあれば合わせて教えてください。

炭谷

私は、ひやまちさとさんのインタビューが印象に残っていて、そのときたまたま忙しいことが続いていてちょっとしんどかったのですが、ひやまさんの人柄がすごく穏やかで優しくて、最後のほうに男性と女性は違うから男性の社会に無理に合わせる必要はないというようなことをおっしゃっていて、それが自分にとってすごくほっとした出来事でした。
今後、どのように生かしていきたいかというと、今回はハタチノヴォイスの相互インタビューとして、「アートと医療の汽水域をまちにひらく」ということがテーマなのですが、アートと医療の関係性について考え続けたいなと思いました。
身近なところでいうと漫画があって『聲の形』と『ゆびさきと恋々』というタイトルなのですが、どちらも耳の聞こえない人と聞こえる人の関係性を描いた漫画です。
そのように漫画という身近な文化物でも医療系、福祉系を題材にしたものがあるので、そういうものに触れて考え続けたいなと思いました。

中澤

僕も、ひやまちさとさんのインタビューが印象に残っています。
自分はイラストレーターさんの作品をよく見たり、調べたりしているんだけど今回デザインプロジェクトで実際にイラストレーターの方の話を聞けるということですごく楽しみにしていました。
実際に話を聴いてみて、「好きなことから始めてその周りを多く経験する」という言葉がすごく自分の中で響きました。
そういったことから自分が将来どんなことをしたいのか、自分にとってのウェルビーイングは何かを考えるヒントになりました。
それと、アートは医療など、いろんなことにつながることができるといった発見もありました。
これから、アートがほかにどんなことと汽水域になるのか自分の興味のあることとつながりはできないのか考えてみたいです。

長谷川

私も、ひやまちさとさんが一番印象に残っています。
どんな話をするときも常に笑っていて、とりあえず何にでも挑戦する、というひやまさんの姿勢に刺激をもらいました。
私はやりたいことに挑戦する前に諦めてしまうことが多いので、ひやまさんのポジティブに前向きに何かに取り組む姿を見て、とりあえずやってみることで何かを得られることもあるのだと気が付きました。
これから取り組みたいことができたとき、ひやまさんを見習って積極的に挑戦していきたいです。

続いて、今まで感銘を受けた芸術作品は、何かありますか?

炭谷

サモトラケのニケという彫刻作品です。
みなさん知ってますか。
古代ギリシャ時代につくられていて、女神像で羽根が生えていて頭だけないんですよ。
完成したときは頭がついていて後から壊れてしまったらしいですが。
見たときにすごくびっくりしました。
何でびっくりしたのかというと頭がないということは不完全な状態なのにこんなに美しいんだと思って。
しかも2m以上あって、神秘性というか、これだけでとても迫力があるしパワーをもらえて感動したことを覚えています。

中澤

僕はイラストレーターのLAMさんのイラストです。
LAMさんのイラストは惹きつけられるような目が特徴です。
以前調べたLAMさんのインタビュー記事で自分の作風について尋ねられた時に「好きな色を使ってザクザク自由に絵を描いたときに、これが自分の好きなイラストなんだ、テイストなんだなと気づけました」とおっしゃっていました。
そういった自分の好きなことやものをぶつけて表現しているのがすごくかっこいいし、憧れています。

長谷川

高畑充希さん主演の「虹色カルテ」というドラマです。
難病にかかってしまって、医者として病院で働くことができなくなってしまった主人公が、虹ノ村という山奥の村で内科医として再出発する話なのですが、登場人物が皆温かくて、見終わるたびに心がほっこりする作品です。
ドキドキハラハラするような展開は少ないですが、主人公たちが一生懸命生きようとする姿に元気をもらえて、大好きな作品です。

長谷川

では、次の質問です。
2025年の春に鳥取県立美術館が開館する予定ですが、こういう美術館になったらいいなというのがあれば教えてください。

炭谷

私は美術が好きで美術館によく行くのですが、見応えのある美術館になってほしいなと思います。
有名なアーティストや画家の作品だったらおそらく美術にさほど興味がない人でも行ってみようかなとなると思います。
もちろん鳥取出身だったり、鳥取にゆかりがあったりするアーティストや画家の作品も展示されるべきだと思うので、グラデーションがある展示が面白いかなと思います。

中澤

僕は鳥取県立美術館には人と人がつながることのできる場所になってほしいと思っています。
デザインプロジェクトでギャラリーコンパを行ったときにいろんな人と作品について語るといった形も芸術の楽しみ方の一つであるんだなと感じました。
ギャラリーコンパでは取材を担当しましたけど、僕もファシリテーター役を担って、参加者と作品についていろんなことを話してみたかったなと思いました。
みんながすごく羨ましかったです。(笑)
地域のつながりが少なくなっている現代だから、ギャラリーコンパみたいな地域の方やいろんな方と関わることのできる機会をたくさん設けてほしいです。あと、おおざっぱですけど、芸術の発展の架け橋になってほしいとも思います。大学の授業で「ヨーロッパでは芸術はカルチャーであるが日本において芸術はサブカルチャーである」という言葉が印象に残っていました。
鳥取から日本にもっと芸術のおもしろさが伝わってほしいなと思います。

長谷川

私は気楽に楽しめる美術館になってほしいと思います。
美術館と聞くと静かに鑑賞しなきゃ、と感じることが多いのですが、友達とわいわい話しながら見て回れるような美術館になれば、訪れるハードルも低くなるのではないかなと。
他とは違う特色を持たせることで、県外からの観光客もキャッチできるのではないかと思います。

炭谷

私もギャラリーコンパでは、直接参加者の方々と関わっていないので羨ましかったです。(笑)

長谷川

人生の中で、スランプはありましたか?

炭谷

はい。
中三ぐらいのときが一番きつかったなと思って、部活や塾や習い事があって人間関係でも悩むことが多くてつらかったです。
今もそうかもしれないですけど思春期ということも大きかったのではないかと思います。
思春期だったから自分がどうしたいのかがよくわからなくてすごく悩んでいたのかなと。
それは自分だけではなく今の中三の人たちも同じような悩みを抱えているかもしれないのでそういう人たちに自分だけじゃないよってことを伝えることができたらなと思います。

中澤

ありました。
高校受験に向けて勉強しているとき一時期成績が全く伸びなかった時期があったんですよ。
当時、勉強は好きな方でめちゃくちゃ勉強してたくさん努力しているつもりなのに結果が出ないことが本当につらかったです。
自分が一生懸命になっていることで結果が自分の思うようにいかないときって本当に苦しいです。
でも、諦めずに努力し続けることや、ちょっとしたことがきっかけで、結果は大きく変わるということを学びました。

長谷川

私は特になかったです。
特に理由もないのに学校に行きたくなくて、毎日泣きながら登校していた時期もあったんですが、教室に入って友達に「おはよう」と言われたら、それだけで「あ、今日はいい日だ」ってテンションが上がってしまうような単純な性格なので、毎日ずっと落ち込んでいるという時期はなかったです。
この性格のおかげで、だいぶポジティブな思考回路になったので感謝してます。

では、次の質問です。あなたにとって、ウェルビーイングとは何ですか。

炭谷

やっぱり自分の目標に向かって努力している状態だと思います。
私は何かに向かっていろいろ考えて努力するのが好きなので、そういう状態だと思います。
でも、価値観は一つではないので常に客観的に見ることも重要だと思っています。
例えば他人と比べることで競争が生まれると思うのですが、競争の外で自分が納得することとか他人に評価されること以外でその目標を達成することもできるとは思っているので、一つの価値観に縛られないということはずっと考えていきたいと思っています。

中澤

難しいですね。(笑)
でも、ウェルビーイングは日々変わっていくものであると思います。
その中で今の自分は絵を描いたり作品を見たりすることがウェルビーイングにつながっていると思います。
前は人間関係や周りの環境を気にしてしまっていて、中々自分の思うようなことができませんでした。
この状態ってウェルビーイングじゃなかったんだと、デザインプロジェクトで気づかされました。
大学生になって時間的にも少し余裕ができたからもっとたくさんイラストを描いたり、サークルとかに力を入れたりしたいです。
自分が直感的に「これだ!」って思ったこと大切にして、たくさん挑戦してみたいです。

長谷川

今の私の生き方を維持していくことです。
ほしいものもやりたいこともたくさんあって満足しているかと言われたら全く満足できていないんですけど、やらなきゃいけないこともやりたいこともたくさんあって、どうしたらいいかわからないなりに楽しんで生きていると思うし、将来、今の自分を振り返ったときに「なんだかんだ楽しかったよね」と思えると思うので、マイペースを大切に、落ち込みながら、遊びながら生きていきたいです。
最後の質問にいきますね。
今までの人生で一番嬉しかったことはありますか?

炭谷

最近の出来事だと、不真面目商店というところでハロウィンパーティーという形で篠笛を演奏させてもらったのですが、その時に鳥取で知り合った人がたくさん来てくださって嬉しかったです。
予想以上に来てくださってとてもびっくりしました。
私は県外から引っ越してきたのでそんなに知り合いがいないと思っていたのですが、引っ越してきてからもいろんな人と出会って話して関係性を築けられたのだなと実感できたことがとても嬉しかったです。

中澤

たくさんあるけど一番は、小学生の時にイラストコンテストで大賞をとったことかな。
この時の作品は自分が当時好きだった仮面ライダーや魚、恐竜とかを思うままに描いたものを応募しました。
自分が好きなもの、描きたかったもので大賞が取れて、小学生ながら自分の作品が認められた気がして、自分のことを知ってもらえた気がしてめちゃくちゃうれしかったです。
これが、今も絵を描くことが好きなことに、つながっていると思います。

長谷川

大学の合格発表の時です。
自分の思い違いで落ちた、と思い込んでいたので後からもう一度確認して自分の番号を見つけたときは人生で一番うれしかったです。
人生で一番勉強していた時期でもあったので、努力が報われたという意味でもうれしかったです。

こやま組

鳥取大学デザインプロジェクト2022年度受講生

こやま組メンバー:炭谷華月、長谷川真夕、中澤柊生